国立大学法人 鹿児島大学大学院教育学研究科

美しい未来を築くため教育を学び教育の向上に邁進する

文字サイズ

  • 小
  • 中
  • 大

修了生からのメッセージ

山内 絵美理さん 国立大学大学院博士課程在学 2018年3月修了 学校臨床系学修コース 研究分野:学校経営

私は、2018年の4月から、九州大学大学院人間環境学府の博士後期課程に進学しています。そこでは、教員養成において学生が何をどのように学ぶのか、また、教職を志望する学生間で共有されている文化と日本の教師文化との関係性について、修士論文の課題を踏まえた研究を行っています。
修士課程では、自身の研究を進めると同時に、自身の専門分野と隣接する教育史や教育工学、保育学、心理学等の講義も積極的に受講してきました。このような幅広い学問領域を学ぶことで、自身の研究を、さらには今後教育現場をベースとした研究を行っていく際の“研究者としてのスタンス”を、多角的に見つめ直すことにつながったと思います。さらに、自身の研究成果を学会にて報告し、発表の意義や本質を引き出していただけるような多くの質問をいただきました。また、共同研究発表でも、研究者や他大学の院生の方々から大変貴重なご指摘や応援のお言葉をもらうことができ、不安や大変さはありましたが、発表をしたからこそ得られたものも大きかったと実感しています。
鹿児島大学では、学部段階から継続して多くの学校現場に足を運んできました。授業研究や教員研修の機会には、現職の先生方と共に考え、時には葛藤もしてきました。そのような経験から、先生方が悩んだり、苦しんだり、それでもやりがいをもって日々子どもたちと向き合っている姿から真摯に学んでいけるような研究者になりたいという思いが強くなりました。
このように、鹿児島大学大学院の修士課程の2年間、教育学専修の先生方をはじめ、他分野の先生方にも温かく見守っていただき、自身の成長を実感しております。大学の先生方や大学職員の方々、大学院生や現職の先生方に心から感謝し、今後も研鑽を積み、研究の成果を教育現場に少しでも還元できる研究者を目指していきたいと思います。

窪田 建さん 霧島市立小学校勤務 2017年3月修了 人間発達系学修コース 研究分野:対話研究,道徳教育

 大学院には素敵な出会いがたくさんあります。教授、現職の先生や留学生の方との出会いです。大学院の授業はディスカッションが多く、教授や先生方と共に学ぶことで、それぞれの立場や文化、経験、知識から考え、議論し、答えを追究する授業で自身をより高めることができます。
修了後の今でも、ときに大学の先生方にお力を借り、ときに研究した仲間や学会で知り合った方々に質問したり対話をしたりと、心強い方々と繋がりを持っています。「自分にない強み」を持つ方々と繋がり、頼れる関係を築けることはとても素敵だと思います。
実践と理論を往還させることが学び続けるために必要です。その理論を獲得できたのは、私にとってとても意義があることでした。当時のレジメを見返すと現場で感じた言語化できない悩みや問いがクリアになります。大学院で理論を学んだこと、そして頼れる人々と出会えたこと、これが私の強みです。
皆さんも仰っていますが、二年間は本当にあっという間です。だからこそ「今何ができるのか。」「大学院だからこそできることは何か。」を問い続けて欲しいです。その先にきっと答えはあるのでしょう。周りの声は気にせず「私は私だ」というエッジを尖らせる2年間を過ごしてください。

村尾 菜未さん 鹿児島市立高等学校勤務 2017年3月修了 生活・健康系学修コース 研究分野:家庭科教育

 私は、大学院1年目の夏から、現在の高校に非常勤講師として勤め始めました。大学院修了までの約1年半、大学と高校を1日に何度も行き来する日もありましたが、忙しくも充実した日々を送ることができたと感じています。今年度(2018年度)からは常勤で働いていますが、学級経営や部活動指導、校務分掌など、教員の仕事は想像以上に多岐にわたっており、授業準備にあまり時間をかけられていないのが現状です。したがって、大学院に通いながら非常勤講師として授業ができたことは、非常に大きな利点であったと感じています。大学院への進学を考えている方に、私が本大学院に通ってよかったと感じていることを3点お伝えします。まず1点目は、より専門的な研究ができたことです。修士研究では、現在の家庭科教育の現状を把握し、さらなる充実に向けた提言を行いました。家庭科とは何か、家庭科教育とはどうあるべきか、多角的に見つめなおすことができたと思います。2点目は、幅広い分野の講義を受けられたことです。家庭科教育に関する講義はもちろん、被服学、食物学、発達心理学など、自分が受けたい講義を自由に選択することができました。家庭科の専修免許状と併せて、科目等履修を利用して数学の1種免許状を取得できたことも、自身のステップアップにつなげられたと感じています。3点目は、現職教員や留学生など、様々な立場の方と交流を深められたことです。大学院の講義は、学生同士でディスカッションをする機会が多く、教育現場の声や他国の現状等を踏まえ、考えを深めることができました。
大学院で得られた知識や経験、志をもった仲間たちは、今後の人生においてかけがえのない財産です。教員としてまだまだ発展途上な私ですが、今後さらに自分を磨き、成長していきたいと思います。

下川 恭子さん 薩摩川内市立小学校勤務 2018年3月修了 言語・社会系学修コース 研究分野:国語科教育

 教員になり7年目の夏、大学院に行くことを決めました。大学院に行くことを決意したのは、「もっと子どもたちに力をつけてもらいたい。そのために、自分の力を高めたい。」という思いからでした。幸いにも、平成28年度現職派遣教員として在学することができました。
大学院1年目は、現場を離れて「読書生活指導」の研究を中心に、講義や演習の中で多くのことを学びました。研究や講義、演習の中で新たな考えに出合い、自分自身を再構築していくことの喜びや苦しみを味わいつつ、学ぶことの楽しさを実感した1年でした。
2年目は、1年目で学んだことを生かしながら現場で実践研究を行いました。仕事をしながらの研究には、苦しみも伴いましたが、1年目で構築した理論に基づいた実践を行うことができました。さらに、子ども一人一人の行動を観察し、分析する力もついたように思います。
大学院で学んだ2年間、どんなときにも常に心にあったのは、目の前の子どもたち、私が今まで出会った子どもたちでした。子どものことを思いがら学んだ2年間は、自分自身を大きく成長させてくれました。大学院を修了した今もなお学びたいという欲求に止まるところはありません。このような気持ちになれたのも充実した2年間があったからです。
みなさんも是非、鹿児島大学教育学研究科で学びませんか。

徳重 宏祐さん 鹿屋市立小学校勤務 2016年3月修了 理数・環境系学修コース 研究分野:栽培

 大学院では、「食育」の観点から食べ物となった動植物の命に向き合う教育の在り方について研究しました。理論的に研究するだけでなく、実際に附属小学校にて授業をする機会も設けていただき、実践的にも研究を進めることができました。その中で、児童の実態や実践の課題など,実践するからこそ分かることが数多くあると学びました。これは、現在の教員生活でも非常に役立っています。
講義については、受講生によるディスカッションで学びを深めていく形式が基本になります。キャリアや専門分野の異なる集団でのディスカッションにより、自分にはなかった考えを聞くことができ、見識を広めることができました。
最後に、個人的な内容ですが・・・大学院へ進学したことにより、人としても大きく成長することができました。指導教官の先生との出会いにより、自分自身の考え方も大きく変化し、自分に自信を持つことができるようになりました。また、大学院や学会、研究会で数多くの人々と出会い、学びを深めることができたことは、私にとって何ものにも代えがたい財産となりました。
以上のように、研究の場だけでなく、人としての成長の場を与えてくれた大学院には心から感謝しています。現在、教師として教壇に立つようになり、数年が経ちました。授業においては、子どもたちから思うような反応を得ることができず、思い悩むことばかりですが、教師としての学校生活は一日一日がとても充実しており、「教師になって本当に良かった」と心から思っています。こうした充実した日々を送ることができるのは、上記のような大学院での学びがあったからであると断言できます。

鈴木 拓さん 福岡市立中学校勤務 2017年3月修了 理数・環境系学修コース 研究分野:木材加工

 大学院を修了し、4月から教員としての生活が始まりました。毎日多くの仕事に追われる中で、大学院での学びのありがたさをひしひしと感じています。教育学部出身でない私にとって、工学部で身につけた【ものづくりにおける専門性】と教育学研究科で身につけた【教職や教科に関する専門性】は、「強み」だと思っています。大学院の多くの授業では、さまざまなバックヤードを持った他分野を学ぶ同期と少人数でのグループワークやディスカッションを行いました。さまざまなモノの見方や考え方に触れ、自分の思考を深めるきっかけとなりました。また、数学の免許取得にも挑戦しました。大学院の研究や授業、免許取得の両立が可能か不安もありましたが、指導していただいた先生方のご理解と手厚いご指導のおかげで無事に取得することができました。現在、数学免許取得で身につけた知識を生かし、数学の論理的思考と技術のものづくり実践の融合を目指し、日々教材研究に励んでいます。研究では、「木育」の観点から、環境に目を向けた教育の在り方について研究しました。さまざまな文献に触れ、理論的に理解するだけでなく、幼稚園や高等学校での出前授業や社会教育イベント等での「木育」活動の実践を通して、より深く研究を進めることができました。私は、大学院生として至らぬことも多かったと思いますが、大学院に進学することでしか得られない学びや時間、出会いの中で成長することができたと思います。進学を提案していただいた大学の恩師に、快く進学させてくれた親に、2年間あたたかくご指導してくださった研究室の教授をはじめとした技術科の先生方に、心から感謝しています。大学院で学んだことを生かし、子どもたちに還元できるようこれからも研究と修養に励んでいきます。

池田 舟さん 指宿市立中学校勤務 2018年3月修了 理数・環境系学修コース 研究分野:栽培

 大学院では学校現場で働くにあたって重要なことを多く学びました。学部の時よりもさらに専門性の高い内容について多くの学生と話し合い、意見を交わしたことで様々な知見を得ることができました。大学院で得た知識は学校現場での勤務に大いに役立っており、大学院での学生生活を通して教師に必要な資質を高めることができました。
専門分野について、私は中学校技術科の非常勤講師としての勤務を経て大学院に進学したため、より実感を伴った学びを得ることができました。特に研究分野であった栽培については、大学院進学前は指導が最も苦手な領域でしたが、課題を持って取り組んだことで充実した研究ができ、得られた研究成果や専門的な知識は指導上の大きな強みとなりました。また、栽培以外の領域についても大学院でより専門的で実践的な学びを得たことで、教科についてより高い専門性を得ることができ、中学校技術科の授業の際に大いに役立っています。
大学院での研究や学生生活を通して専門的な知識だけではなく、物事を論理的に多角的・多面的に考える力が身に付きました。研究における実験や結果の考察、論文執筆などの活動を通して、一つのことを様々な視点で捉えて深く考え、よりよい最適解を見いだすとともに更なる課題を見つけて解決に取り組んでいくことがよりよい学びにつながることを実感することができました。
おわりに、大学院での学生生活は楽しいことばかりではなく、苦しいこともたくさんありました。しかしながら、私は大学院生活の中でたくさんの仲間たちや指導教員をはじめとする先生方、職員の方々、後輩の学部生など様々な人たちに支えられ、研究を最後までやり遂げることができました。そのなかで協力して一つのものを作り上げることの楽しさや喜び、人と支え合って努力していくことの大切さを知ることができました。私にとって大学院生活は人として一回り成長させてもらえたかけがえのない2年間だったと思います。

山下 拓郎さん 鹿児島県立特別支援学校勤務 2017年3月修了 芸術・スポーツ系学修コース 研究分野:体育心理学

私は大学院終了後、2年間期限付き教員として働き、今年度から正式採用として現在の学校に勤めていますが、大学院で経験した3つのことが特に今の自分に活かされていると感じます。
1つ目は、指導教員の授業補助です。主に実技科目の授業補助をする中で、教員になったときに活用できるようなタスクゲーム等を学ぶことができました。さらに、様々な研究データ入力の経験がパソコンスキルの向上につながり、現在の仕事の効率化につながっていると感じます。
2つ目は、北海道や東京など県外5カ所での学会発表です。自分の研究結果をいかに分かりやすく相手に伝えるかを考えながら発表したことが、教員となった現在、生徒目線での伝え方を考えられるようになったことにつながっていると感じます。
3つ目は、特別支援教育の知見を深められたことです。保健体育に加え、特別支援教育も専修免許を取得したり、附属特別支援学校で1年間ティーチングアシスタントをしたりしたことが、日々の指導に活かされています。
このように大学院に進学したからこそ経験できたことは、他の人には無い自分の強みになっていると感じます。高い専門性が求められる今、是非大学院で自分を高めてほしいと思います。

井上 周一郎さん 鹿児島県内私立大学勤務 2000年3月修了 教科教育専攻美術教育専修 研究分野:彫刻

 私は、平成20年から、鹿児島女子短期大学で教鞭をとっています。短大では、児童教育学科に所属し、専門の美術・図画工作に関する講義を担当しています。今振り返れば、大学院で学び得たことが、現職のしっかりとした土台になっていると思います。
私にとって、大学院の魅力は、彫刻表現の専門性を高められる環境があったことです。関連の演習や実習が充実していたことはもとより、空き時間で積極的に制作できる用具や設備、場所などが整っていました。そこでは適宜、優れた先生方から、親身なご指導をいただけたので、徐々に創作活動を発展させることができました。当時、様々な試行錯誤や葛藤もありましたが、それらを乗り越えた際の達成感は、それまでに味わったことのない貴重な経験となり、今日の糧になっていることは言うまでもありません。
このような恵まれた環境のおかげで、彫刻の世界に一層魅了され、表現についても深く思考することとなりました。そもそも美術という表現は、人間の表現手段の一つで言葉のようなものです。絵画、彫刻、工芸、デザインの各分野において、言葉の内容は異なりますが、大学院2年間のカリキュラムを主体的に取り組むことで、以前よりも幅広く理解できました。このことは、単に自己の作品づくりに活かされただけでなく、子どもたちに美術や図画工作の素晴らしさを伝えるための教育観を培い、指導力や資質の向上につながりました。
美術の表現と教育について、よりハイレベルで追求できるのが大学院です。“鉄は熱いうちに打て”という諺がありますが、学ぶ意欲のある方は、是非とも特別な環境での研鑽をお勧めします。

注)掲載内容は、執筆当時のものです。

  • 教育学部
  • 教職大学院

PAGE TOP